
脱毛は、日々の生活の中で不必要な体毛を除去するための手段として広く行われています。医療機関でのレーザー脱毛やエステでの光脱毛など、方法は様々ですが、それぞれに伴うリスクやトラブルも存在します。この記事では、脱毛のよくあるトラブルとその対処法、さらに失敗しないための注意点について詳しく解説します。
よくあるトラブルの種類と統計データ
脱毛施術後に起こりやすいトラブルについて、国民生活センターの調査結果から分析すると、以下の通りです。
医療機関でのトラブル(2023年調査)
- やけど:47.2%(134件)
- 皮膚障害:41.9%(119件)
- その他:10.9%(31件)
エステでのトラブル(2023年調査)
- 皮膚障害:50.7%(344件)
- やけど:39.6%(269件)
- その他:9.7%(66件)
※特に20~30歳代の女性にトラブルが目立っています。
主な具体的なトラブル内容:
- 施術部位のやけど:医療機関でのレーザー脱毛で特に発生しやすい
- 赤み・ぶつぶつ・かゆみ:脱毛後1日以内に現れやすい
- 毛嚢炎:毛穴に雑菌が入り込み、赤みや腫れ・化膿を伴う
- 色素沈着:時間が経過することで改善する場合もあるが、痕が残る可能性も
- 硬毛化・増毛化:毛が濃くなったり太くなったりする稀なケース
- レーザーの照射漏れ:施術範囲が不均一になる
トラブル発生時の適切な対処法
皮膚症状(赤み・かゆみ・ぶつぶつ)の対処
- 患部を冷やす
- タオルで巻いた保冷剤や濡れたタオルを軽く当てて冷却
- 注意:10分程度の冷却を繰り返し、長時間の冷却は避ける(肌への負担や血行不良のリスクあり)
- 清潔な状態を保つ
- 毛嚢炎を防ぐため、清潔な状態を維持
- 汗をかいたらすぐに拭き取り、清潔な状態を保つ
- 医療的な対応
- 軽度の症状:薬局で購入可能な「オロナイン」を使用
- 中等度以上の症状:医療機関で処方される「ステロイド軟膏」を使用
重大トラブルの対応フロー
- すぐに医療機関を受診
- 特にやけどや重度の炎症の場合は、早急に専門医の診察を受ける
- できれば施術を受けたクリニックの医師に相談(アフターケアが充実している場合が多い)
- 施術サロン/クリニックへの連絡
- トラブルの状況を正確に伝え、適切な対応を求める
- 消費者センターへの相談
- 対応が不十分な場合や、治療費の補償が必要な場合は、国民生活センターに相談
- 補償や賠償の可能性を高めることができます
- 必要に応じて法的措置
- 返金や慰謝料請求が必要な場合は、弁護士に相談を検討
失敗しないための重要な注意点
施術前の準備
- 肌状態の確認
- 乾燥肌や日焼けした肌での施術は避ける(肌トラブルのリスクが上昇)
- 事前カウンセリングで肌状態を正直に伝える
- 施術方法の理解
- 医療機関では「レーザー脱毛」(効果が高いがリスクもやや高い)
- エステでは「光脱毛」(効果は緩やかだが、肌への影響が比較的小さい)
- 同意書の詳細確認
- 説明されたトラブルの可能性を理解し、対応方法を事前に確認
施術後のケア
- 24時間以内の注意
- 血行を促進する行為(入浴、運動、飲酒)を避ける
- 脱毛部位に熱をもっている場合は、適宜冷やす
- 保湿ケアを徹底し、肌の乾燥を防ぐ
- 紫外線対策の徹底
- 脱毛後は肌が敏感になるため、UV対策を万全に行う
サロン/クリニック選定のポイント
- 資格の確認
- 医療機関では医師がレーザー操作を行うか確認
- エステでは国家資格を持ったスタッフが施術するか
- アフターケアの内容確認
- トラブル発生時の対応体制を事前に確認
- 保証制度の有無と内容を確認
- 体験施術の利用
- 本格的な施術前に、体験コースでスタッフの対応や肌への反応を確認
結論
脱毛は安全性が高まってきていますが、完全にリスクゼロではないことを理解し、適切な選択と対応を行うことで、トラブルを最小限に抑えることが可能です。脱毛のトラブルを未然に防ぐためには、施術前の準備から施術後のケアまで、十分な注意と対策を講じることが重要です。脱毛を安全に受けるためには、事前の情報収集と、適切な施術サロンや医療機関の選定が欠かせません。また、トラブルが発生した場合の適切な対応も、後遺症を防ぐ上で非常に重要です。脱毛を受ける前に、十分な情報を収集し、安全性と効果を両立させた脱毛ライフを送ることができるでしょう。